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なぜアメリカは電気自動車に熱心なのか
問題:世界一の原油生産国を答えなさい。
・・・この質問に多くの人は中東諸国のどこだろう、と考えるはずだ。
朝日新聞社2015年6月記事より
ところが、正解はアメリカである。1位アメリカ、2位サウジアラビア、3位ロシア。いわゆる私たちが白い民族衣装トーブに身を包んだ男たちの姿を頭に思い浮かべるOPEC加盟12カ国はサウジを除いて「その他」に分類される状況だ。
「アメリカは石油獲得の為に中東で戦争まで仕掛けた!」なんて言われる国が世界一の産油国と聞くと違和感あるが、アメリカは輸出する以上に輸入する量が断然多い程の大量石油消費国家なのだから仕方が無い(輸出1,286億USドル/輸入3,267億USドル ※2014年)。
アメリカ国内の全エネルギー消費のうち石油の占める割合は40%程と言われる。国土が広大なアメリカにおいて自動車及び航空機燃料として代替が効かない石油は世界最大の産油量を以ってしても足りない訳だ。
そのためアメリカは石油価格の安定化に躍起になっている。オバマ大統領は石油価格が高騰した2012年春に(本来は戦争などの有事の際を想定した)戦略備蓄にまで手を付けて価格安定化に努めた程。アメリカはオイルショックの70年代以降、常に石油依存体質からの脱却を夢見ている。
その想いにようやくテクノロジーが追いついた!・・・電気自動車だ。アメリカで最も売れている電気自動車は他でも無い日産リーフ。米国でもシボレー・ボルト(純粋なEV車と言えるかは疑問)と同時期に発売されたリーフはボルトより若干多い累計約8万3千台を売っている(尚、高級車テスラは販売台数を公表していない)。まだまだ、といえばそうだが、心強い数字だ。電気自動車が確実着実に普及し始めているといえるし、何よりアメリカ政府が電気自動車の普及を強力に支援している。
アメリカ政府が電気自動車に熱心なのは、環境に配慮しているからと考えるよりも、石油購入という形で莫大な国富が海外に垂れ流され続けている状態が我慢ならないから、というのが本音と思える。実際、アメリカに拠点を構える国際石油資本(石油メジャー)各社も潮時と考えたのか、総合エネルギー商社へ舵を切っている。